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- 文部科学省が2026年5月26日、令和7年度「外国人の子供の就学状況等調査」結果を公表
- 学齢相当の外国人の子供は177,726人で調査開始以来の過去最多
- 不就学または就学状況が把握できない子供は合計9,153人
- 10人以上が在籍する自治体は753、全体の43.3%に拡大
- 義務教育諸学校への在籍率は85.0%で前年比+0.2ポイント
外国人の子供177,726人、過去最多を更新した背景
文部科学省は2026年5月26日、令和7年度「外国人の子供の就学状況等調査」の結果を公表しました。日本国内に住む学齢相当(小中学校年齢)の外国人の子供は177,726人に達し、2019年度に調査が始まって以来、最多を更新しています。
調査の基準日は2025年5月1日。全国の市町村教育委員会を対象に文科省が毎年実施しており、今回で6回目です。
学齢相当の外国人の子供の数は177,726人で、前回調査(令和6年度)に比べ増加し、調査開始以来最多となっています。
引用:文部科学省「外国人の子供の就学状況等調査(令和7年度)」の結果について
増加の背景には、近年の在留外国人の急増があります。製造業や介護分野で外国人材の受け入れが進み、家族帯同で来日するケースも増えました。地方都市にも外国人世帯が広がり、就学年齢のお子さんも各地で増えています。
高野智弘
不就学の可能性がある子供は9,153人
今回の調査で、文科省が「不就学の可能性がある」と整理した子供は合計9,153人。内訳は次の通りです。
| 区分 | 人数 | 内容 |
|---|---|---|
| 不就学 | 911人 | 学校に通っていないことが確認された |
| 就学状況把握不可 | 8,013人 | 自治体が状況を確認できなかった |
| 住民基本台帳上の差 | 229人 | 台帳との数値が一致しない |
| 合計 | 9,153人 | — |
外国籍のお子さんには日本の義務教育の就学義務はかかりません。しかし、国際人権規約に基づき、希望すれば公立小中学校で無償で教育を受けられます。文科省は「全ての外国人の子供の教育機会の確保に向けて取り組む」と明言しています。
外国人の子供の就学促進事業などを通じて自治体の取組みを支援するとともに、各地の事例を教育委員会や住民基本台帳部局など関係部署へ広く周知し、全ての外国人の子供の教育機会の確保に向けて取り組んでいきます。
引用:文部科学省「外国人の子供の就学状況等調査(令和7年度)」の結果について
義務教育諸学校への在籍は85.0%
外国人の子供177,726人のうち、公立や私立を含む義務教育諸学校に通っているのは150,786人(85.0%)でした。前年度から0.2ポイント増えており、就学率は緩やかに改善しています。
ブラジル人学校や朝鮮学校などの外国人学校に通うのは6.7%で、前年比0.4ポイント減。日本の学校を選ぶ家庭がじわじわと増えている傾向が見てとれます。
外国人の子供が多い都道府県ランキング
外国人の子供の在籍数を都道府県別に見ると、上位はやはり大都市圏と工業地帯に集中しています。
| 順位 | 都道府県 | 人数 |
|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 36,811人 |
| 2位 | 愛知県 | 21,167人 |
| 3位 | 神奈川県 | 17,303人 |
| 4位 | 埼玉県 | 15,785人 |
| 5位 | 大阪府 | 14,449人 |
| 6位 | 千葉県 | 12,063人 |
愛知県が東京に次ぐ2位なのは、自動車関連の製造業に多くの外国人労働者が集まっているためです。神奈川、埼玉、大阪、千葉といった大都市近郊にも厚く広がっています。
10人以上の外国人の子供が在籍する自治体は753市区町村(全体の43.3%)。前回調査から1.0ポイント増え、外国人世帯の居住エリアが地方にも徐々に広がっていることがうかがえます。1人以上の在籍がある自治体は1,298(74.6%)に達しました。
高野智弘
自治体の就学案内、送付率は81.9%まで上昇
外国人世帯への就学案内の送付状況も改善が進んでいます。
小学校新入学に相当する外国人家庭へ就学案内を送付している自治体は81.9%。就学説明を全員に対して実施している自治体は55.4%でした。日本語が分からない保護者向けに多言語の案内を用意したり、通訳を交えた説明会を開いたりする工夫も広がっています。
ただし、就学案内が届いても日本語が読めない、書類の意味が分からない、といった理由で結果的に不就学になるケースは残っています。8,013人の「就学状況把握不可」の多くは、こうした連絡の壁にぶつかっている家庭と推測されます。
日本の学校現場で進む「やさしい日本語」と日本語指導
文科省は別途、日本語指導が必要な児童生徒の調査も継続的に行っています。直近の数値では、公立学校に通う日本語指導が必要な児童生徒は69,123人(前回調査から+18.6%)と過去最多。このうち外国籍は57,718人、日本国籍も11,405人で、国際結婚家庭のお子さんなども含まれます。
学校現場では、日本語を母語としないお子さんが学級に増えています。授業中に「やさしい日本語」で言い換える、絵カードを使う、取り出し授業で個別に日本語指導をする、といった対応が一般化しつつあります。
日本語指導が必要な児童生徒数は69,123人で、前回調査より10,800人増加(+18.6%)し、過去最多となりました。
引用:文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査結果」
保護者として知っておきたい3つのこと
外国人のお子さんが増えている学校現場で、保護者として知っておきたいポイントを3つにまとめました。
1. 学校に外国にルーツを持つお友達が増える可能性が高い
特に大都市圏や工業地帯にお住まいの場合、お子さんのクラスに日本語が母語でないお友達がいる可能性は十分にあります。学校行事の案内が多言語化されていたり、運動会で多文化共生をテーマにしたプログラムが組まれたりするケースも増えています。
2. 「日本語指導が必要な子」への対応は学校ごとに差がある
日本語指導の体制は自治体や学校で大きく差があります。日本語指導の専任教員がいる学校もあれば、通常学級の担任が対応する学校もあります。気になる場合は学校公開や保護者会で、学校がどんな取り組みをしているかを確認してみてください。
3. 困っているお友達がいたら家庭で話題にする
お子さんが「クラスに日本語が分からない子がいる」と話してきたら、責めずに聞き、「困っていることがあったら先生に伝えてあげてね」「絵を描いて教えてあげる方法もあるよ」など、小さな共生の知恵を伝えるチャンスです。多様な背景を持つお友達との関わりは、お子さんの社会性や柔軟性を育てます。
高野智弘
まとめ:教育機会の格差を地域で支える時代へ
外国人の子供の在籍数は過去最多を更新し続けています。義務教育諸学校への在籍率は85%まで改善した一方で、約9,000人が不就学または就学状況不明という現実も残っています。
文科省は2026年度以降も自治体支援を継続する方針です。保護者としては、お住まいの地域でどんな子供たちが学校に通っているかに関心を持ち、家庭でも多文化共生について自然に話題にできる環境を作っていくことが、お子さんの未来の社会を支える第一歩になります。
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