子育て

子どもの体力低下が深刻に、持久力低下の原因と家庭でできる対策

このニュースを1分で解説

  • スポーツ庁の最新調査で、小中学生の体力合計点は男女とも横ばいだったとわかりました
  • 一方で、長距離走などで測る「持久力」は低下傾向が続いています
  • 背景には、スマホやゲームの時間が長くなったことと、運動する子としない子の二極化があります
  • 子どもの体力低下は、集中力や生活リズムにも影響すると考えられています
  • 家庭では「毎日少しずつ体を動かす習慣」をつくることが対策の第一歩です

子どもの体力低下、スポーツ庁の最新調査でわかったこと

お子さんが「すぐ疲れた」と言う場面が増えていませんか。スポーツ庁が全国の小中学生を対象に行った体力・運動能力の調査で、気になる傾向が明らかになりました。

体力の合計点でみると、小学校・中学校ともに男女で横ばいでした。大きく落ち込んだわけではありません。ただし種目別にみると、長距離走や20メートルシャトルランで測る持久力が低下傾向にあることがわかりました。

令和7年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査について、調査結果を取りまとめましたので公表します。
引用:スポーツ庁

持久力は、長い時間体を動かし続ける力です。運動だけでなく、授業中に姿勢を保つ力や、最後まで集中して取り組む力にもつながります。「合計点は横ばいだから大丈夫」と安心せず、落ちている部分に目を向けることが大切です。

高野智弘
高野智弘
持久力は、地道に体を動かした分だけ伸びる力です。逆に言うと、運動の機会が減るといちばん先に落ちやすい部分でもあります。「足が遅い」よりも「すぐ息が上がる」が気になり始めたら、生活の中の運動量を見直すサインだと考えてみてください。

なぜ「持久力低下」が起きているのか

持久力低下の背景には、子どもを取り巻く生活の変化があります。スポーツ庁は調査のなかで、いくつかの要因を指摘しています。

スクリーンタイムの増加

スマートフォンやタブレット、ゲームに向かう時間が長くなるほど、外で体を動かす時間は短くなります。スポーツ庁の調査でも、平日にテレビやスマホなどの画面を見る時間が長い子どもほど、体力合計点が低い傾向が続いています。座っている時間が増えること自体が、持久力を育ちにくくしています。

運動する子としない子の二極化

もう1つの大きな要因が、子どもの運動不足と「二極化」です。スポーツや外遊びをよくする子と、ほとんど運動しない子に分かれてきています。1週間の総運動時間が短いグループでは、体力の数値も伸びにくくなります。お子さんがどちらに近いかを、まず把握しておきたいところです。

高野智弘
高野智弘
二極化のこわいところは、運動が苦手な子ほど「動かない→さらに体力が落ちる→もっと運動がきらいになる」という流れに入りやすい点です。勝ち負けや記録ではなく、「楽しく体を動かせた」という体験を増やすことが、この流れを止める近道になります。

体力低下が子どもの毎日に与える影響

体力は、スポーツの得意・不得意だけの話ではありません。日々の生活や学習とも深くつながっています。下の表は、体力が落ちているときに家庭で気づきやすいサインと、考えられる影響をまとめたものです。

家庭で気づくサイン考えられる影響
少し歩いただけで「疲れた」と言う持久力の低下。活動量がさらに減りやすい
姿勢が崩れやすく、すぐ寝そべる体を支える筋力の不足。集中の持続にも影響
寝つきが悪い・朝起きられない運動不足による生活リズムの乱れ
外遊びより画面の時間が長いスクリーンタイム増加。運動機会の減少

文部科学省も、子どもの体力と学習意欲や気力には関係があると指摘しています。体を動かす習慣は、ぐっすり眠る力や、机に向かう集中力の土台にもなります。

家庭でできる体力アップの習慣

持久力は、特別なスポーツをしなくても、毎日の積み重ねで育てられます。大切なのは「短くても、続けられること」です。

1日60分、こま切れでも体を動かす

世界保健機関は、子どもや若者に1日あたり合計60分以上、体を動かすことをすすめています。一度にまとめてではなく、登下校の徒歩、休み時間の外遊び、夕方の散歩など、こまぎれの合計で十分です。「歩いて買い物につきあってもらう」だけでも立派な運動になります。

画面の時間に家庭のルールをつくる

スクリーンタイムを「ゼロにする」のは現実的ではありません。「夕食後の30分はみんなで散歩」「ゲームの前に外で10分」など、運動とセットにするルールが続けやすくおすすめです。お子さんと一緒に決めると、守ってもらいやすくなります。

「楽しい」を入り口にする

運動が苦手なお子さんには、記録や勝ち負けより「楽しさ」を入り口にしてみてください。なわとび、鬼ごっこ、自転車、ダンス動画のまねなど、本人が笑顔になれるもので構いません。体を動かす習慣づくりは、勉強の習慣づくりとよく似ています。学習面の習慣化のヒントは、こども教材プラスでも紹介しているので、あわせて参考にしてみてください。

高野智弘
高野智弘
保護者の方が完璧にやろうとすると、続きません。まずは「親子で夕方に10分だけ歩く」など、ハードルをうんと下げた1つの習慣から始めてみてください。小さくても毎日続いたことは、半年後に大きな差になって返ってきます。

まとめ|小さな運動習慣が子どもの未来を支える

スポーツ庁の調査が示した子どもの体力低下、とくに持久力の低下は、特別な家庭だけの問題ではありません。スマホの普及や運動の二極化という、いまの子どもみんなに関わる変化が背景にあります。

それでも、できることはシンプルです。1日合計60分の運動、画面時間のルール、そして「楽しい」を入り口にすること。今日から親子で歩く10分が、お子さんの体力と毎日の元気を支えていきます。教育Timesは、これからも子どもの育ちに役立つニュースをお届けします。