- 不登校の小中学生は35万人超(2024年度、過去最多)
- 登校できない期間の通知表に斜線が引かれるケースが問題視されている
- 文科省が2026年4月に出席扱い・成績評価の条件を整理したリーフレットを公開
- フリースクールや自宅ICT学習でも条件を満たせば出席扱いになる
- 中学生は内申点・高校受験にも関わるため保護者の関心が高い
「お子さんが学校に行けていない。通知表はどうなるの?」「このまま高校受験の内申点が取れなかったら…」と不安を感じている保護者の方は多いはずです。
2026年4月9日、文部科学省は不登校の児童生徒の出席扱いと成績評価の条件をまとめた保護者向けリーフレットを公開しました。学校外で学んでいても、一定の条件を満たせば出席扱いと成績評価を受けられます。その内容を整理します。
不登校35万人、通知表に「斜線」が引かれる現状
文部科学省の調査によると、2024年度(令和6年度)の小中学校における不登校の児童生徒数は35万3,970人で、12年連続で過去最多を更新しました。
学校を長期欠席すると、「評価に必要な授業への出席がない」として通知表の成績欄に斜線が記入されることがあります。2026年4月6日にはNHKがこの問題を特集で報じ、「お子さん自身が通知表を見たくないと感じている」「高校受験を前に将来が不安」という保護者の声を紹介しました。
特に中学生は、通知表の斜線が内申書に直結するため、進路への影響を心配する声が多く寄せられています。
高野智弘
出席扱い・成績評価が認められる条件
文科省のリーフレットでは、学校外での学習が一定の条件を満たした場合、校長の判断によって「出席扱い」や「成績評価」を受けられると説明されています。どの施設・方法で学習しているかによって、必要な条件が異なります。
フリースクール・教育支援センターでの学習
自治体が設置する教育支援センター(適応指導教室)に通っている場合は、原則として出席扱いの対象です。
民間のフリースクールで学んでいる場合は、以下の条件を満たすことが必要です。
- 保護者と在籍校の間に十分な連携・協力体制があること
- 学校長が教育委員会と連携した上で判断すること
- お子さんの自立を助けるうえで有効と認められること
すべてのフリースクールが自動的に出席扱いになるわけではありません。施設と在籍校の間で学習状況が共有されているかどうかが、判断の分かれ目になります。
自宅でのICT学習(オンライン授業・デジタル教材)
自宅でオンライン授業を受けたり、ICT教材で学習している場合も対象に含まれます。ただし、以下の3点が必要です。
- 訪問などによる対面指導が定期的・継続的に行われていること
- 本人の理解度に応じた計画的な学習プログラムであること
- 学校側がお子さんと継続的に関わり続けていること(孤立防止の観点から)
成績評価の材料としては、ICT教材の学習履歴・本人が記入する振り返りカード・テスト結果などが使われます。全教科の評定は義務ではなく、できる範囲での評価が認められています。
高野智弘
不登校の通知表と高校受験の内申点
出席扱いが認められれば、通知表の成績欄が斜線から実際の評価に変わります。これは高校受験の内申書にも直結します。
内申書に記載される成績は在籍中学校の通知表が基準です。出席扱いが認められて評価がつけば、内申書にも反映される可能性があります。
高校入試では、不登校の受験生に対して合理的配慮を設ける都道府県が増えています。学力試験の結果のみで合否を判断したり、定員内不合格を出さない方針を採用している高校も存在します。
「内申点が取れないから高校に行けない」と感じているご家庭は、志望校が不登校生徒の受験にどのような対応をしているかを早めに調べてみてください。都道府県の教育委員会のウェブサイトや、志望校の入試要項で確認できます。
高野智弘
在籍校への相談を今すぐ始めよう
出席扱いや成績評価を受けるには、在籍校の校長(または担任・教育相談担当)への相談が最初のステップです。
相談の際に伝えるとスムーズなポイントは以下のとおりです。
- 現在どこで・どのような方法で学習しているかを具体的に伝える
- 出席扱いの申請ができるか確認する
- 学習計画を一緒に作ってもらえるか依頼する
学校への相談が難しい場合は、各都道府県・市区町村の教育委員会の相談窓口が利用できます。文科省のリーフレットにはQRコードで相談先が案内されており、オンラインでもアクセス可能です。
2026年4月のリーフレット公開により、出席扱い・成績評価の制度が学校現場でも改めて周知されます。「制度を知らないまま損をする」ことがないよう、今すぐ在籍校に問い合わせてみてください。