子育て

【2026年5月開始】子育て支援金は年収別でいくら?6つの使い道

このニュースを1分で解説

  • 2026年5月の給与から、新しい「子育て支援金」の天引きが始まりました
  • 支援金率は全国一律0.23%。会社員は労使折半で本人負担は約0.115%相当
  • 年収400万円の会社員で月384円、年収600万円で月575円が目安(こども家庭庁公式試算)
  • 児童手当の高校生年代までの拡充など、6つの子育て支援事業の財源になります
  • 2028年度まで段階的に引き上げられ、年収400万円で月650円程度まで上がる見込み

子育て支援金とは?2026年5月から給与天引きが始まりました

ゴールデンウィーク明けの給与明細を見て、「あれ、いつもより手取りが少ない?」と感じたご家庭も多いのではないでしょうか。

2026年4月分の保険料から、新しい「子ども・子育て支援金」の徴収が始まりました。多くの会社員・公務員は5月支給の給与から天引きされる形となり、今月の給料日が初めての差し引きという方が大半です。

子育て支援金は、医療保険料と一緒に集められる新しい仕組みです。健康保険組合・協会けんぽ・共済組合・国民健康保険・後期高齢者医療制度のいずれかに加入しているすべての人が対象になります。

令和8年4月保険料(5月に給与天引き)より拠出いただきます。
引用:こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度について」

子育て世代だけでなく、独身の方や子どもがいない世帯、高齢の方まで、医療保険に加入している全員で子育てを支える設計です。「自分の家計から毎月いくら引かれるのか」「何のために使われるのか」を確認しておきましょう。

高野智弘
高野智弘

5月の給与明細は、多くの方にとって支援金が初めて差し引かれる明細です。健康保険料の欄が前月と比べて少し増えていれば、そこに支援金が含まれている可能性が高いです。家計簿アプリの「保険料」項目が前月差プラスで表示されたら、まずは明細の確認から始めてみてください。

年収別の月額負担額はいくら?こども家庭庁公式試算

「結局いくら払うのか」を、こども家庭庁が公表している公式試算で確認していきます。会社員と自営業で計算方法が異なるため、ご自身の働き方に合わせて見てください。

会社員・公務員の場合(被用者保険)

協会けんぽ・健保組合・共済組合に加入している方の月額負担額です。年収には毎月の給料とボーナスの合計が含まれます。

年収本人負担(月額)年間負担額の目安
200万円192円約2,304円
400万円384円約4,608円
600万円575円約6,900円
800万円767円約9,204円
1,000万円959円約11,508円
出典:こども家庭庁「被用者保険 年収別の支援金額の試算(令和8年度)」

計算方法はシンプルです。年収(標準報酬総額)に支援金率0.23%を掛けて12で割り、さらに半分にした額が本人負担分の月額になります。残り半分は事業主が負担する仕組みです(労使折半)。

自営業・フリーランスの場合(国民健康保険)

市町村の国民健康保険に加入している方は、世帯単位で計算されます。夫婦と子どもがいる世帯で、夫婦のどちらか一方のみに収入がある場合の試算です。

年収世帯あたり月額
80万円50円
100万円50円
150万円250円
200万円400円
250万円550円
300万円650円
出典:こども家庭庁「市町村国民健康保険 年収別の支援金額の試算(令和8年度)」

国民健康保険の場合は、高校生年代までの子どもの均等割額が全額軽減されます。子どもの人数が増えても支援金額は変わらない設計です。実際の金額は各自治体の条例で決まるため、表は50円単位の目安として参考にしてください。

支援金は何に使われる?子育て世帯を支える6つの事業

「自分の家計から引かれるお金が、本当に子どものために使われるのか」は誰もが気になるところです。子育て支援金は、加速化プランと呼ばれる3.6兆円規模の子育て政策の財源として、6つの事業に充てられます。

すでに始まっている支援

すでに動き出している給付は4つあります。

1. 児童手当の抜本的拡充(2024年10月から実施済み)
所得制限が完全に撤廃され、支給対象が高校生年代(18歳到達後の最初の3月31日まで)に延長されました。第3子以降は月3万円に増額されています。

2. 妊婦のための支援給付(2025年4月から制度化)
妊娠届出時と胎児の数の確認後の2回に分けて、単胎妊娠で合計10万円が給付されます。

3. 出生後休業支援給付(2025年4月から)
両親が一定期間の育休を取得した場合、最大28日間にわたり育休給付の給付率が引き上げられます。手取りが実質10割に近づく仕組みです。

4. 育児時短就業給付(2025年4月から)
2歳未満の子どもを育てながら時短勤務で働く場合、賃金の一部が給付される新制度です。

2026年に新しく始まる支援

子育て支援金の本格徴収開始と同時に、新しい給付も動き出します。

5. こども誰でも通園制度(2026年4月から給付化)
保護者が働いていなくても、月一定時間まで保育所などを時間単位で利用できる仕組みです。在宅育児中の家庭でも、リフレッシュや通院、上の子の学校行事の際に短時間預けやすくなります。

6. 国民年金第1号被保険者の育児期間に係る保険料免除(2026年10月から)
自営業・フリーランスの方が育児期間中に国民年金保険料を免除される新制度です。これまで会社員にしかなかった育休中の保険料優遇が、自営業の方にも広がります。

給付の新設・拡充は既に始まっています。子ども・子育て支援金を含む3.6兆円規模の子育て支援の抜本的拡充に取り組むこととされています。
引用:こども家庭庁「加速化プランによる子育て支援の拡充と子ども・子育て支援金」

これら6つの事業を合わせると、子ども1人あたり18年間で約146万円の給付拡充が見込まれています。

高野智弘
高野智弘

支援金で特に注目したいのは「こども誰でも通園制度」です。これまで保育所は就労要件が必要でしたが、専業主婦・主夫家庭でも月一定時間まで利用できるようになります。お子さんが2〜3歳で集団生活に慣れさせたい、上の子の用事のときに短時間だけ預けたいといったニーズに応えてくれます。お住まいの自治体の運用が始まっているか、ぜひ調べてみてください。

支援金が免除される人・払わなくていい人は?

子育て支援金は、医療保険料と同じように免除される期間や対象外になる人がいます。代表的なケースは以下の3つです。

産前産後休業中・育児休業中の方
社会保険料が免除される期間は、子育て支援金も同じく免除されます。育休を取得中の方は、現在の給与から支援金が引かれることはありません。

扶養に入っている配偶者
被用者保険の被扶養者(いわゆる第3号被保険者の配偶者など)は、本人として支援金を負担しません。世帯主の保険料に組み込まれる形です。

無職で収入がない方
国民健康保険に加入していても、世帯収入が一定以下であれば軽減措置が適用されます。市町村ごとに条例で軽減額が決まるため、お住まいの自治体の窓口で確認できます。

月収約12万円程度のパート勤務でも、勤務先の健康保険に加入している場合は支援金の対象になります。社会保険に加入しているかどうかが分かれ目です。

2028年度まで段階的に引き上げ。将来はいくらに?

ここまでは令和8年度(2026年度)の金額を見てきましたが、子育て支援金は2028年度(令和10年度)まで段階的に引き上げられる予定です。

医療保険加入者一人あたりの平均月額の見込みは次のとおりです。

年度1人あたり平均月額
2026年度(令和8年度)250円
2027年度(令和9年度)350円
2028年度(令和10年度)450円
出典:こども家庭庁「加速化プランによる子育て支援の拡充と子ども・子育て支援金」

被用者保険の年収別で見ると、2028年度には年収400万円で月650円、年収600万円で月1,000円、年収800万円で月1,350円程度まで上がる見込みです。

政府は「社会保障の歳出改革等を行うことで、支援金による負担は相殺されるため、支援金導入に伴う実質的な負担は生じない」としています。ただし、家計の額面としては引かれる金額が確実に増えるため、家計設計の前提に組み込んでおくことが大切です。

高野智弘
高野智弘

2028年度には年収600万円で月1,000円、年間1万2,000円が天引きされる計算になります。一方で、児童手当の高校生年代までの拡充や妊婦給付などで、子育て世帯はそれ以上の給付を受け取れる設計です。「自分の家庭はどの給付の対象になるのか」を一覧化しておくと、損得の感覚がつかみやすくなります。市区町村の子育て支援窓口や、お勤め先の総務担当に確認するのが確実です。

家計と教育費の見直しは今がタイミング

子育て支援金は、子育て世帯にとっては「払う側」と「受け取る側」の両面があります。とくに高校生年代のお子さんがいるご家庭は、児童手当が新たに対象に加わったことで、年間で受け取る給付が大きく増えているはずです。

5月の給与明細が届いたら、引かれる支援金の額と、児童手当などで受け取る給付の額を一度並べて確認してみてください。差し引きで家計のプラス・マイナスがはっきり見えてきます。

教育費は小学校・中学校・高校と進むにつれて段階的に増えていきます。2026年は高校授業料の無償化が完全実施された年でもあり、家計の前提が大きく変わった年です。今のうちに保険・通信費・サブスクなど固定費を見直し、お子さんの教育費に回せる余力を作っておくことをおすすめします。