- 2026年7月の調査で、夏休みの宿題へのAI利用を保護者の42.1%が「アリ」と回答
- ただし自由研究のアイデア出しは67.0%がOK、読書感想文は32.7%どまりと2倍の差
- 小学生の45.2%がすでに生成AIを使っている可能性(保護者回答)
- 文科省のガイドラインも「考える過程の支援はOK、成果物の丸写しはNG」の立場
- 家庭では「使う・使わない」の二択ではなく使い方のルール決めが現実的
「夏休みの宿題、お子さんがこっそりAIに答えを聞いていたら…」と気になったことはありませんか。2026年7月に発表された保護者722名への調査で、夏休みの宿題へのAI利用を42.1%が容認していることがわかりました。一方で、宿題の種類によって賛否は大きく割れています。データをもとに、OKとNGの境界線と、家庭で決めておきたいルールを整理します。
夏休みの宿題のAI利用、保護者の42.1%が容認【2026年調査】
AI教育事業を手がけるSHIFT AI社が2026年7月8日〜11日、小学1〜6年生のお子さんと同居する保護者722名に「夏休みの子どものAI利用に関する保護者アンケート調査」を実施しました。
宿題へのAI利用を認める保護者は42.1%
宿題でのAI利用を「積極的に活用させたい」「内容によっては使ってよい」と答えた保護者は合計42.1%。AIを「ズル」と切り捨てる時代は、終わりつつあります。
小学生の45.2%が「すでに使っている」可能性
保護者が把握しているだけで、お子さんの37.7%が生成AIを利用しています。「確証はないが使っていそう」を含めると45.2%。半数近い小学生が、すでにAIと一緒に夏休みを過ごしている計算です。
| 子どもの生成AI利用(保護者回答) | 割合 |
|---|---|
| 利用を把握している | 37.7% |
| 「使っていそう」を含めた合計 | 45.2% |
| 用途1位:学校の宿題 | 56.0% |
| 用途2位:調べもの | 50.6% |
| 用途3位:自由研究のアイデア出し | 47.6% |
注目したいのは、利用しているお子さんの用途1位が「学校の宿題」(56.0%)である点です。保護者が議論している間に、お子さんの側はすでに宿題で使い始めています。
高野智弘
OKとNGの境界線|宿題の種類で許容率は2倍違う
同じ「宿題にAI」でも、宿題の種類によって保護者の判断は大きく分かれました。
グラフの通り、上2つと下2つの間には約2倍の開きがあります。この差が、保護者の考える「境界線」そのものです。
「考える過程」を手伝うAIはOK
許容率が高いのは、自由研究のアイデア出し(67.0%)と、わからない問題の解説(64.1%)。どちらもお子さん自身が考えたり手を動かしたりする「過程」をAIが手伝う使い方です。テーマのヒントをもらっても実験するのは本人ですし、解説を読んで理解するのも本人だからです。
「成果物の代筆」はNG
一方、読書感想文(32.7%)と作文・日記(31.3%)は3人に1人しか容認していません。これらは文章そのものが成果物であり、AIに書かせたら本人の学びが残らないタイプの宿題です。調査でも、宿題へのAI利用を「学ぶ機会になる」と見る保護者が54.7%いる一方、「ズル・好ましくない」との回答も44.8%あり、意見はほぼ拮抗しています。
保護者は生成AIを「答えの代行」ではなく「学びの伴走」として使わせたいと考えており、家庭では「使わせるか・禁止か」の二択ではなく、どう使わせるかの設計が重要になっています。
引用:SHIFT AI「夏休みの子どものAI利用に関する保護者アンケート調査」プレスリリース
高野智弘
文科省ガイドラインも「過程の支援」を推奨
家庭の感覚は、実は国の方針とも一致しています。文部科学省が2024年12月に改訂した「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」では、読書感想文やコンクール応募作品について、生成AIの出力をそのまま自分の成果物として応募・提出することは、評価基準や応募規約によっては不適切または不正な行為にあたると指導するよう求めています。一方で、調べ学習の補助やアイデア出しなど、学習の過程を支援する使い方は活用例として示されています。
学校現場でも生成AIは一律禁止ではなく、段階的に活用が広がっています。当サイトの調査記事でも紹介した通り、子どもの生成AI利用率は小学生28%・中学生52%・高校生61%まで伸びており、学校でのICT活用はデジタル教科書の正式化(2027年施行)でさらに加速します。「AIに触れさせない」選択は、年々現実的ではなくなっています。
生成AIの利活用を想定していないコンクールの作品やレポート等について、生成AIの出力をそのまま自己の成果物として応募・提出することは、評価基準や応募規約によっては不適切又は不正な行為に当たることについて十分に指導する。
引用:文部科学省「初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(Ver.2.0)」(令和6年12月26日)
家庭でつくる「わが家のAIルール」3か条
調査結果と文科省の方針を踏まえると、夏休みの宿題でのAIとのつきあい方は次の3か条に集約できます。
1. 最初は親子で一緒に使う
調査では、この夏にAIを「親子で一緒に使う予定」が19.5%、「お子さん本人に使わせる予定」が21.5%でした。低学年ならまず親子で一緒に。AIの答えが常に正しいとは限らないことを、隣で見せながら伝えられます。
2. AIの答えで終わらせず、出典を確認する
調べもの(利用用途2位・50.6%)でAIを使ったら、「本当かな?」と図鑑や公式サイトで確かめる一手間をセットにします。AIを疑う習慣そのものが、これからの時代の学力になります。
3. 読書感想文・作文は「自分の言葉」で書く
保護者の3人に2人がNGとし、文科省も応募規約によっては不正な行為にあたると注意を促している使い方です。感想を箇条書きに整理する壁打ち相手としては使えますが、文章はお子さん自身の言葉で。この線引きだけは家庭で明確にしておきましょう。
夏休みは宿題だけでなく、お子さんの居場所や生活リズムも心配な時期です。夏休みの子どもの居場所と食支援の記事もあわせて参考にしてください。
高野智弘
よくある質問
読書感想文にAIを使ってもいいですか?
学校では生成AIの利用は禁止されていますか?
子どもがAIの答えを丸写ししていないか心配です。どう確認すればいいですか?
夏休み後半、AIと上手につきあう家庭が伸びる
保護者の42.1%が容認し、お子さんの半数近くがすでに使っている生成AI。もう「使わせるかどうか」を悩む段階ではなく、「どう使わせるか」を決める段階に来ています。
今夜の食卓で、わが家のAIルール3か条を話し合ってみてください。アイデア出しはOK、感想文は自分の言葉で。この線引きさえ共有できれば、AIは夏休みの宿題の心強い味方になります。
