子育て

夏休みの宿題の最難関は自由研究【親の91.6%が手伝う実態】

このニュースを1分で解説
  • 2026年7月の調査で、夏休みの宿題で最も大変なものは子ども27.4%・保護者40.1%がそろって「自由研究・工作」と回答
  • 自由研究が出た場合、保護者の91.6%が手伝うかアドバイスをしている(前年94.4%から2.8ポイント低下)
  • 「7月中に終わらせる」目標を立てた子どもは38.9%だが、前年に実際に終えたのは28.1%
  • 前年に「やってもやらなくてよい」任意制の宿題があった家庭は43.0%。その内容の1位が自由研究・工作58.1%
  • 文科省後援のコンクールは「自作」が応募条件。手伝う前に線引きを決めておくのが現実的

夏休みが始まって1週間あまり、自由研究のテーマがまだ決まらずに気をもんでいませんか。2026年7月24日に発表された小学生10,699名と保護者918名への調査で、夏休みの宿題のなかで自由研究・工作を「最も大変」と答えた保護者が40.1%にのぼり、実に91.6%が手伝うかアドバイスをしていることがわかりました。どこまで手を貸してよいのか、残り1か月をどう組み立てるのか、データをもとに整理します。

夏休みの宿題の最難関は自由研究、子ども27.4%・保護者40.1%が「最も大変」

通信教育「進研ゼミ 小学講座」を提供するベネッセコーポレーションが、2026年7月9日から15日にかけて「小学生 夏休みの宿題・過ごし方調査 2026」を実施しました。1万人を超える規模で夏休みの宿題の実態を聞いた調査は、国内でも数えるほどしかありません。

調査は小学生10,699名・保護者918名が対象

対象は「進研ゼミ 小学講座」会員の小学3年生から6年生を中心とする子ども10,699名と、保護者サポートアプリに登録する小学生の保護者918名です。いずれもインターネットでのアンケート調査で、設問によって回答者数は異なります。「夏休みの宿題で最も大変だと思うもの」を聞いた設問は、子ども9,650名、保護者769名が答えています。

親子そろって1位が自由研究・工作、2位が読書感想文

最も大変だと思う宿題は、子どもが「自由研究・工作」27.4%、「読書感想文」25.9%。保護者は「自由研究・工作」40.1%、「読書感想文」29.4%でした。順位は親子で一致していますが、保護者のほうが自由研究に感じる負担は12.7ポイント高くなっています。答えのない宿題は、子ども以上に大人を悩ませているようです。

大変な宿題ほど「任意制」で出されている

この調査には、前年に「やってもやらなくてもよい」任意制の宿題が出たかを聞いた設問もあります。任意制の宿題があった家庭は43.0%。その家庭が挙げた任意制の宿題は「自由研究・工作」58.1%、「読書感想文」49.8%、「作文」18.1%でした(複数回答)。学校が必須をゆるめるとき、まず対象になるのが自由研究だとわかります。

宿題の種類子どもが「最も大変」保護者が「最も大変」任意制で出された割合
自由研究・工作27.4%40.1%58.1%
読書感想文25.9%29.4%49.8%
作文18.1%
出典:ベネッセコーポレーション「小学生 夏休みの宿題・過ごし方調査 2026」(2026年7月24日発表)。「最も大変」は子ども9,650名・保護者769名の回答、「任意制で出された割合」は前年に任意制の宿題があった家庭の複数回答。

負担の大きさと任意制の割合が、きれいに同じ順番で並んでいます。自由研究に苦戦しているのはご家庭だけではなく、学校もまた扱いに悩んでいると読み取れます。

高野智弘
高野智弘
自由研究が大変なのは、量が多いからではなく「何をするか」を自分で決めなければならないからです。計算ドリルなら手をつければ進みますが、自由研究はテーマが決まるまで1ミリも進みません。まずは「決める日」を先にカレンダーに書き込んでみてください。それだけで、夏休み後半の景色がずいぶん変わります。

「7月中に終わらせる」目標は38.9%、実際に終えたのは28.1%

同じ調査で、宿題を終わらせる目標日についても聞いています。子どもたちの意識は前年より前倒しになっていますが、現実はそれに追いついていません。

目標を立てる子どもは前年から7.3ポイント増えた

「7月中までに終える」と答えた子どもは38.9%で、前年の31.6%から7.3ポイント上昇しました。あわせて「目標はない」と答えた子どもは27.0%となり、前年から8.2ポイント減っています。早めに片づけたい、あるいは計画を立てたいという子どもは、確実に増えています。

目標と実績の10.8ポイントの差はどこで生まれるか

一方、前年に実際に7月中に宿題を終えた子どもは28.1%でした。今年の目標38.9%とは10.8ポイント離れています。年が違うため同じ子どもを追った数字ではありませんが、意気込みと実績の間には例年これくらいの開きがあると考えてよさそうです。差が生まれる場所として真っ先に疑うべきなのが、テーマ決めから完成まで工程の長い自由研究です。

「夏休みの宿題が終わらない」の正体は工程の分解不足

調査を担当したベネッセの水上宙士氏は、リリースのなかで次のように述べています。

今回の調査では、「7月中に宿題を終えたい」と目標を立てる子どもが増えている一方で、実際の完了時期との間にギャップがあることもわかりました。大切なのは、目標日を決めるだけでなく、宿題を小さな単位に分け、日々の行動に落とし込むことです。
引用:株式会社ベネッセコーポレーション プレスリリース(2026年7月24日)

「自由研究をやる」はタスクではなく、まだ願望の段階です。「テーマ候補を3つ出す」「材料を買う」「1回目の実験をする」まで割ってはじめて、カレンダーに置ける単位になります。

自由研究に親の91.6%が関与、保護者の夏休みの負担も浮き彫りに

自由研究がご家庭の負担になっている実態は、関与率にはっきり表れています。

「テーマ選びからすべて手伝う」も26.7%

自由研究が宿題に出た場合、保護者の91.6%が「全部または一部を手伝う」か「アドバイスをする」と回答しました。内訳は「すべてではないが一部を手伝う」が48.3%で最多、「テーマ選びからまとめまですべてを手伝う」26.7%、「手伝わないがアドバイスはする」16.7%と続きます。4人に1人の保護者が、事実上の共同制作者になっているわけです。

自由研究に親はどう関わる 一部を手伝う 48.3% テーマ選びからすべて 26.7% 手伝わずアドバイスのみ 16.7% 出典:ベネッセ調べ(2026年7月)

費用は「500円まで」33.7%、「かかっていない」27.4%

自由研究にかかった費用は「500円まで」が33.7%で最も多く、「お金はかかっていない」27.4%が続きました。あわせて6割が500円以内に収めています。お金をかけた研究が評価されるわけではないと、多くのご家庭がすでに気づいているのでしょう。高価なキットを買い足す前に、家にあるもので試せるテーマを探すほうが近道です。

関与率は前年の94.4%から2.8ポイント下がった

関与率91.6%は前年の94.4%から2.8ポイント下がっています。任意制の広がりや、お子さんに任せる方針への切り替えが背景にあると考えられます。減ったとはいえ9割超という水準は、自由研究が事実上「親子の宿題」であることを示しています。

保護者の夏休みの負担1位は「食事の準備」59.3%

保護者が夏休みに大変だと感じることは、「自宅での食事の準備」59.3%、「子どもの動画・ゲームの使い方・ルール対策」53.9%、「夏休みの宿題を見ること」50.2%、「子どもの生活管理」46.5%、「生活リズムの乱れ」43.4%の順でした。宿題を見ることは3位ですが、上位5項目のうち3つが生活面です。平日日中の過ごし場所は「自宅(保護者と一緒)」43.0%、「学童」35.1%、「自宅(子どものみ・留守番)」12.6%となっており、日中の居場所の確保そのものが負担になっているご家庭も少なくありません。夏休みの居場所づくりについては、夏休みの学校開放と居場所づくりの動き学童保育の費用と申し込みの実際もあわせてご覧ください。

高野智弘
高野智弘
保護者の負担トップが「食事の準備」だと知って、少し気が楽になった方もいるのではないでしょうか。宿題は数ある負担のひとつにすぎません。自由研究に完璧を求めて親子とも消耗するくらいなら、テーマは小さく、実験は1回で終わる規模に絞ってしまってよいと思います。自由研究は評価のための行事ではなく、お子さんが「不思議だな」と思う練習の場です。

親はどこまで手伝ってよいか、残り1か月の進め方

91.6%が関わっているとはいえ、手伝い方には線引きがあります。とくにコンクールへの応募を考えている場合は、規定を先に確認しておく必要があります。

コンクールに出すなら「自作」が応募条件

文部科学省・環境省・こども家庭庁が後援する第70回全国学芸サイエンスコンクール(主催:旺文社、応募期間2026年6月1日から9月24日)の応募規定には、次のように定められています。

応募作品は自作のものとする。他の作品を模したものや、盗作や不適切な引用などがあった場合は、入賞後でも入賞を取り消しとする。
引用:全国学芸サイエンスコンクール 応募要項

読書感想文についても同様で、文部科学省・こども家庭庁後援の第72回青少年読書感想文全国コンクール(主催:公益社団法人全国学校図書館協議会、毎日新聞社)は「個人のオリジナルで未発表の作品に限ります。他の類似コンクールとの二重応募は認めません。」と応募要項に明記しています。校内選考を経て出品される可能性がある以上、「すべてを手伝う」26.7%の関わり方は、コンクールを想定すると避けたほうが安全です。

手伝う前に決めたい3つの線引き

規定を踏まえると、手伝ってよい範囲は次のように整理できます。第1に、テーマ選びは「候補を一緒に出す」までにして、決定はお子さんに委ねます。第2に、危険をともなう作業や道具の扱いは大人が担います。刃物・火・薬品を使う工程は、手を出すことがむしろ責任です。第3に、まとめの文章と結論はお子さんの言葉のままにします。誤字の指摘までは支援、書き直しは代行です。この3点を最初に共有しておくと、途中で「どこまでやってあげるべきか」と迷わずにすみます。

なお、テーマ探しや調べものに生成AIを使う場合も同じ考え方が当てはまります。アイデア出しは支援ですが、成果物をそのまま提出させることは避けたいところです。具体的な線引きは夏休みの宿題へのAI利用に関する保護者調査で詳しく整理しています。

残り期間で自由研究を終わらせる進め方

8月に入ってからでも間に合います。工程を4つに割ってください。1日目に「テーマ候補を3つ書き出して1つ選ぶ」、2日目に「必要な材料を家の中で探し、足りないものだけ買う」、3日目から5日目に「観察や実験を実施して写真を撮る」、6日目に「模造紙かノートにまとめる」。1つの工程は1日1時間で終わる規模に設計するのがコツです。目標日だけを決めて挫折した38.9%と、実際に終えた28.1%を分けるのは、この分解があるかどうかです。

高野智弘
高野智弘
前年に任意制の宿題があったご家庭は43.0%で、その内容の1位が自由研究でした。もしご家庭が本当に立ち行かない状況なら、無理に取り組まないという判断もあってよいはずです。担任の先生に「今年は見送ります」と一言伝えておけば、それで済むことも多いですよ。周りに合わせて全部やろうとして、夏休みの終わりに親子で疲れきってしまうほうが、よほどもったいないと感じます。

よくある質問

自由研究は親がどこまで手伝っていいですか?
テーマの決定とまとめの文章はお子さん本人に任せ、危険な作業と材料の準備は大人が担うのが基本です。コンクールに出品される可能性がある場合、文部科学省後援のコンクールは「自作」を応募条件としているため、全面的な代行は避けてください。調査では26.7%の保護者が「テーマ選びからすべてを手伝う」と回答していますが、この関わり方は規定上のリスクがあります。
夏休みの宿題が終わらないときはどうすればいいですか?
残っている宿題を種類ごとに書き出し、1日1時間で終わる単位まで割ってからカレンダーに置いてください。前年に7月中に宿題を終えた子どもは28.1%で、目標を立てた38.9%を10.8ポイント下回っています。差が生まれる原因の多くは、工程の長い自由研究や読書感想文を最後に残してしまうことです。時間のかかるものから先に着手してください。
自由研究にはどのくらいお金をかけるものですか?
2026年の調査では「500円まで」が33.7%、「お金はかかっていない」が27.4%で、あわせて6割が500円以内に収めています。費用の多寡と評価は関係ありません。市販のキットに頼らず、家にある道具で観察や比較ができるテーマを選ぶほうが、お子さん自身の気づきが増えます。

夏休みの宿題は「終わらせる」より「決めさせる」

今回の調査が示したのは、自由研究が親子ともに最大の難所であり、9割超のご家庭が何らかの形で関わっているという現実でした。手伝うこと自体は責められるものではありません。線引きさえ決めておけば、自由研究は親子で取り組める数少ない機会になります。テーマを決める日をカレンダーに書き込むところから、この週末に始めてみてください。教育Timesでは、公的機関の発表や大規模調査をもとに、保護者の判断材料になる情報をお届けしています。ご意見やお問い合わせは運営会社のお問い合わせフォームまでお寄せください。

高野智弘

この記事を書いた人:高野智弘
株式会社SUNCORE代表。教育メディア「教育Times」を運営し、文部科学省・こども家庭庁の公式発表をもとに、保護者向けの教育ニュース解説を発信している。
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